情報のユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインとは

「ユニバーサルデザイン」とは、調整又は特別な設計を必要とすることなく、最大限可能な範囲ですべての人が使用することのできる製品、環境、及びサービスのデザインをいいます。

ユニバーサルデザインの7原則

  1. 誰でも公平に使えること
  2. 使う上での自由度が高いこと
  3. 使い方が簡単でわかりやすいこと
  4. 必要な情報がすぐに理解できること
  5. うっかりミスが危険につながらないこと
  6. 身体への過度な負担を必要とせず少ない力でも使えること
  7. 使いやすい十分な大きさと空間が確保されていること

ユニバーサルデザインには完璧な形や完成形は無く比較論であり、製造メーカーは自社で基準を設け製品を開発し、「基準」により「品質」を確保しています。

尚、重要なポイントとして、ユニバーサルデザインの使いやすさを評価するのはあくまでも利用者になります。

情報のユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインについては様々な製品で取り組みがされていますが、通知物・説明書・パッケージ・パンフレットなどの印刷媒体の分野ではどうでしょうか?「ユニバーサルデザインに配慮した印刷物」ということはまだまだ一般的に認知がされていないのではないでしょうか。

しかし、本来は重要な情報ほど誰にでもわかりやすく伝える必要があります。ところが実際にはいくつかの理由により「わかりにくさ」による情報伝達の問題が氾濫していることも事実と言えます。

「わかりにくさ」のために情報が正しく伝わらないことは、情報を発信する側・受け取る側双方にとっての不利益でありストレスです。実際に下記のような統計も過去にありました。

  家電製品の説明書に不満がある・・・7割(平成21年日本消費者協会より)

  国勢調査の記入不備・・・78%(平成22年国勢調査第1次試験結果より)

  定額給付金の申請書類の不備・・・7割(四国新聞社)

このような情報コミュニケーションの悪さを引き起こさないための情報伝達物のデザイン設計を行うことが「情報のユニバーサルデザイン」です。

わかりにくさの要因とは

情報をわかりにくくして受け手とのコミュニケーションを阻害している要因として以下の点があげられます。

  • 情報の複雑さ
  • デザインの難しさ
  • 情報量の多さ

製品やサービスは高機能・多様化が進んでいます。そのため顧客に対して伝えるべき情報は膨大な量になります。それを限られたスペースで効率的に伝えることには無理が生じるケースも出てきております。結果として発生しているのは企業や行政への苦情の増加やCSの低下です。皆さんは説明書や契約書を読んでいて「しっかり読まれては困る内容なので、あえて小さい文字で読みづらくしているのではないか」と思われた経験もおありではないでしょうか。しかし、それは本来そのような意図で作成されているのではなく、限られた紙面や決められた様式といった制限によるものであったり、凝ったデザインに拘りすぎた結果と言えます。

なぜ情報のユニバーサルデザインが求められているか

「見やすく・わかりやすく・伝わりやすい」情報コミュニケーションが、今なぜ求められているのでしょうか(このことを当社では「情報のユニバーサルデザイン化」と呼びます)。

まず、大切な情報をわかりやすく顧客や生活者に伝えることは情報発信者の社会的責任であるといえます。顧客や生活者の不利益にならないように、またコミュニケーションの不徹底や誤った理解により生命・財産に危害が及ばないようにという顧客本位・生活者本位の姿勢です。

そしてもう一つは、情報発信者の利益創出効果です。情報がわかりやすく伝わることで、問い合わせや苦情対応にかかっていたコストが削減できるとともに、顧客・生活者の信頼も向上します。更には、情報コミュニケーションの充実により新たな見込客増加や契約増加といったビジネスチャンスも増加します。

この2点に気付いた企業・団体は積極的に情報伝達物のユニバーサルデザイン化に取り組んでいます。

情報のユニバーサルデザインにどう取り組むか

ユニバーサルデザインには完成形がないと先に書かせていただきました。情報のユニバーサルデザインについても、最初から高い基準を設けるのではなくできるところから取り組まれるのがよいと思います。

《Step1》社内で基準を設定し運用を開始

社内で設ける基準の一例として、まずは対象とする情報伝達物の範囲を決めるところから始めます。次に社内基準の設定になりますが、使用するフォント・色彩デザイン・文章表現などの一定基準を設け、運用をスタートさせます。この段階で「情報のユニバーサルデザイン」に積極的に取り組む企業・団体としての第一歩です。

《Step2》運用管理と評価・改善

自主基準を決定し運用を開始した後は、評価と改善(レベルアップ)を継続させます。

  • 対象とする伝達物の見直し・拡大
  • 効果測定
  • 運用基準のレベルアップ

重要な点としては、顧客・生活者目線での評価と基準作りです。いたずらにハードルを高くする必要はなく、発信した情報が「見やすく・わかりやすく・伝わりやすく」伝わっていたかを捉え、伝わりにくい部分を潰していく(減点法)での改善を行います。

効果測定は、実際の情報の受け手の反応(例えば入会申込書であれば加入率)をみる取組前と取組後で比較する方法もありますし、直接第三者の意見を聞く方法(モニタリング)もあります。

《Step3》第三者機関による評価

Step2をローリングさせていくことで情報コミュニケーションの充実は可能ですが、更には第三者機関による評価とお墨付きを得る方法もあります。対象となる情報伝達物が情報のユニバーサルデザインに配慮した設計になっているかを、自主基準ではなく第三者機関の客観的な基準により評価してもらう方法です。第三者機関による評価は、ユニバーサルデザインに対する関心の高さや顧客・生活者本位の業務運営の姿勢というものを広く社会にアピールできます。

最後に

多くの情報が氾濫している今の社会において、情報をわかりやすく伝え顧客・生活者の財産・生命を守ることは社会課題の一つです。情報のユニバーサルデザイン化の取り組みは情報伝達効率を高めることであり、印刷物・サインなどに代表される情報伝達物の価値は「伝達品質」の高さと言えます。

情報のユニバーサルデザイン化を推進することにより、情報コミュニケーションにおいてストレスのない快適な社会の実現が可能となります。

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