眼の老化

「色覚異常者や眼に疾患を持った方に対する配慮」という取り組みを様々な場面で聞かれることがあると思います。音響付き信号機・点字ブロックなどが代表的でしょうか。印刷物の世界で言いますと、点字や色覚異常者にも対応した色彩設計などが挙げられます。
しかしこれらは「バリアフリー」の発想であって、厳密には「ユニバーサルデザイン」とは異なります。

しばらく前の話になりますが、横浜国立大学の岡嶋先生の講演を拝聴する機会がありました。「高齢者の目の見え方」に関するお話でした。お話によると、眼の老化(疾患ではなくあくまでも“老化”です)は20代から徐々に始まっており、40代あたりから加齢による眼の老化を実感することになるそうです(私は既にいやというほど実感していますが)。
日本の高齢者は総人口の28%前後いらっしゃいますので、ざっくり言いますと、10人に3人は眼が老化しているといえます。繰り返しますが、老化は病気ではありません。
だいぶ前置きが長くなりましたが、何を言いたいかといいますと、10人に3人が高齢者(イコール眼の老化者)なのですから、情報伝達をする際は「眼の加齢」に考慮したデザイン設計をしないと「全体の3割の人は見辛い」と感じているということです。
眼の加齢と眼の疾患に配慮した印刷デザイン設計もユニバーサルデザインの重要なポイントといえるのではないでしょうか。

ところで、アイキャッチ画像に使っているコンロの炎ですが、高齢者には青い炎が見え辛いってご存知ですか。このため『着衣着火』という事故が高齢者に多いのです。炎が実際よりも小さく(低く)見えてしまうためにおこる事故なんです。

コムフィット合同会社 大澄秀明