『頑張ります』と言ったら終わり

私は30余年のサラリーマン時代のほとんどを営業部門で過ごしました。

その長い営業時代、自分自身で『営業』というものに対する3つの基本スタンス(信条)を持ってやっていましたので、今回はそれを紹介したいと思います。

     ①    お客様への感謝

     ②    臆病であれ

     ③    頑張らない

まずは『お客様への感謝』の気持ちです。よく言われるありきたりの言葉かもしれませんが、事業が成り立つのも自分の会社での存在価値があるのもお客様あっての賜物です。長くお付き合いいただいているお客様、新しくお取引をいただいたお客様、厳しく叱責してくれるお客様、自分を成長させてくれるお客様などなど、感謝の心は常に持っておくべきだと思っていました。

2つ目は『臆病であれ』ということです。もっと適切な言い回しがあるのかもしれませんが、私の乏しい脳細胞にはこの言葉がなじんでいました。「お客様は何を考えているのか」、「何を求めているのか」、「本当は何をこちらに伝えたかったのか」、お客様とのコミュニケーションの中で臆病なぐらいにお客様の行動や考えを探ることでやっとお客様についていけます。豪放磊落であっけらかんとした体育会系の営業マンも多いのですが、そういったキャラクターで勝負できない自分は、やはり相手の気持ちを探ってなるべく相手の先手を打てるようにして信頼を得ていくことが必要でした。

最後は『頑張らない』ということです。営業部門にいると『頑張ります!』という言葉をいたるところで耳にします。私はこの言葉が大嫌いでした。『頑張ります!』は何の根拠も解決策もなく無責任極まりない言葉です。更に言うと、どうにも手の打ちようがないときに言う逃げの言葉です。営業会議でも上司が「販売予算に未達だからもっと頑張れ!」とか叱咤しますし、未達の回復を求められた部下も「月末までには何とか頑張ります!」と回答する光景を目にします。でもこれは何の解決策にもなっていないのです。これで終わる会議はまずだめです。『どういうアクションをとるのか』が大事でありそこを詰めなければ意味がないのに、『頑張ります』の一言ですべてが解決してしまったような空気になる会議や上司と部下の関係は全く生産的ではありませんでした。頑張らなくても答えが出るようなプロセスや仕組みを常に考えていないと組織は成立しませんし上司のマネジメント能力も疑わしいものです。

『頑張れ!』・『頑張ります!』が多発され、それで通用する組織は健全な状態ではないでしょうね。

 

コムフィット合同会社 大澄秀明

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