郡山市のUDへの取り組み

 福島県郡山市、福島県のほぼ中央に位置し、東北地方で第3位の人口規模を誇る東北の拠点都市です。今なお東日本大震災や原子力災害が市民生活に影響を及ぼしている中で、B-1グランプリに代表されるイベントの開催など、復興に向け着実な歩みを進めています。

 昨年12月、この郡山市で市の職員を対象にしたカラーユニバーサルデザイン セミナー・ワークショップが開催されました。このセミナー・ワークショップの講師は、当社がパートナーシップをとっている一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会(UCDA)が努めました。

 福島市の報道資料を引用させていただきますと、職員向けセミナー・ワークショップの開講目的・内容は以下の通りとなっています。

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【目的】

誰もが自分らしく、より快適な暮らしを送ることができる「ユニバーサルデザイン社会」の実現のため

【セミナー】

地方公共団体の通知書や申請書の具体的な事例をもとに、わかりやすい文書を作るための基準について解説。

【ワークショップ】

市民向けの文書やチラシを、市民の視点で情報デザインの問題点を見つけ改善するワークショップ。

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要約しますと、市が市民に対して発信する通知書や申請書・市民向け文書などの各種情報を、情報を受け取る市民の視点でわかりやすく改善しようという取り組みです。そして、「市民にわかりやすく情報発信をしよう」という考え方が「ユニバーサル社会の実現につながる手段のひとつ」だと郡山市は認識をしているのです。なんと、セミナーには職員120名が参加するという大規模な勉強会です。

この認識は非常に重要なことで、施設をバリアフリーにしたり案内表示をわかりやすくするだけがUDではないことを教えてくれています。地方公共団体と市民の関係性は施設の利便性だけではなく、必ずそこには地方公共団体と市民とのコミュニケーションが発生し、それは人と人との情報のやり取りなのです。「誰にでもわかりやすい」ということがコミュニケーションを円滑にし、その結果、市との関係性において快適な暮らしを送ることが実現するのだということが理解できます。

しかし現実をみるとまだまだ郡山市のような取り組みはほんの一部です。情報がわかりやすく伝わっていないことで誤解や不満が生じてしまっている事例は身近にもあります。何故誤解や不満が生じてコミュニケーションが円滑にならないのでしょうか。「ユニバーサル社会」というものの究極は「ユニバーサルマナー」であって、それはやはり一人一人の「心のUD」だと言えます。でも、人々の対応・言動に「相手にわかりやすく伝える」という意識がなければ、社会生活は快適さを欠いてしまうのです。親切さ・配慮・気遣いなどの「心のUD」が醸成してくれば、施設やインフラが多少不便であってもカバーできてしまうものだと思うのです。

郡山市は職員に対して、市民に発信する情報をわかりやすく伝えようという研修を行いました。この研修の成果として、郡山市の職員の皆様のなかのUD意識が一層高まり、窓口対応や市民サービスが一層向上していくことを期待します。

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