ユニバーサルデザインの啓蒙について

あくまでも個人的な意見と前置きしますが。

「ユニバーサルデザイン」を生活者の方々に啓蒙する場合、「こんなところにもUDがあります」あるいは「こんなUD製品がありました」というメッセージを見たり聞いたりすることが多々あります。

でも、私はこのようなメッセージにはかなり違和感をもっています。今このようなメッセージを発信してもUDの啓蒙にはほとんど寄与しないのではないかというのが私の個人的な感想です。およそ10数年前であれば、ユニバーサルデザインという言葉そのものを知ってもらうことを目的としてこのような情報発信はあり得るのかと思うのですが、いまだにこれでは時代遅れでは・・・と感じるのが正直なところです。

施設や製品がUDかどうかは「利用する人」が判断・評価することであって、「これがUDだ」というのはメーカーが宣伝用に使うワードで十分ではないのかと思います。むしろ、ユニバーサルデザインという言葉自体がある程度認知されている現代において、生活者は「使いやすくなったか」「暮らしやすくなったか」という点が大事であり、敢えてユニバーサルデザインという言葉を使わなくてもこの2点を気にかけてもらうことで十分UDは浸透していくのだと思っています。メーカーが製品開発の際にUDを取り入れることはほぼ当たり前になっているのですから。

今、UDを推進する人たちが生活者に対してやらなければならないUDの啓蒙というのは、UDマナーやユニバーサル社会といった暮らしのかかわりの中でのUD的考え方の浸透です。もうそのフェーズに入っているはずです。

人を思いやる心、障がいの有無や国籍の違いなど多様な人々を受け入れる多様性、そういったことが人々の行動・意識として「あたりまえ」になっていく社会を作っていくための啓蒙活動こそ今求められているものではないかと思うのです。残念ですが、私が知っている限りそこまで踏み込んでUDの啓蒙を本気で行っている団体や自治体はまだ見当たりません。

今は過渡期かもしれません。UDが一時のブームとして収束してしまうのではないかという危惧が頭をよぎります。

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