令和4年度の事業再構築補助金についてわかりやすく解説

今年度(令和3年度)最後の事業再構築補助金公募(第5回)が締め切られました。
事業予算規模1兆1485億円の大型補助金でしたね。新型コロナ感染症の影響で経営環境が厳しくなった法人様・個人様にはとても有効な補助金だったと思います。
そして・・・昨年末に令和3年度補正予算が成立し、来年度(令和4年度)も事業再構築補助金の継続が決定しております。昨年公募できなかった事業者様には引き続き事業再構築補助金の活用をご検討されることをお勧めいたします。

さて来年度の事業再構築補助金ですが、今年度から内容の見直しが行われています。このコラムでは、主な変更点について皆様にご紹介したいと思います。

予算規模の変更

令和4年度の予算は6123億円が計上されています。残念なことに今年度の事業予算(前掲)と比べると約1/2に減額されていますが、他の補助金と比べれば圧倒的に大きな補助事業だと言えるのではないでしょうか。
予算が減少したことがどう影響するかですが、単純に考えれば今年並みの公募企業があれば当然採択率が落ちてしまいます。今年の採択率は40%強ぐらいだったでしょうから、今年度と同じ申請数の場合は令和4年度の採択率は30〜40%になるのではないでしょうか。
※但し、来年度の変更点として補助上限額が今年度より低くなっており、その点では「広く厚く」支援する形を取っております。
そしてもう一つの懸念が公募回数です。今年度は5回の募集がありましたが、令和4年度は4回が想定されています。来年度4回のうちうち令和5年1〜3月の間に1回の公募があるでしょうから、令和4年4月〜12月の公募は3回しかないと考えられます。

”予算規模が減少し公募回数が減る” このことからも、申請を検討されている事業者の方々は余裕を持ったスケジューリングと”採択されやすい”事業計画書の作成が必要になります。
採択されやすい事業計画書とは???ここがポイントですね。

申請要件の緩和

今年度の事業再構築補助金の最も基本的な申請要件は『売上高10%減少要件』でした。

■2020年4月以降の連続する6ヶ月のうち、任意の3ヶ月の合計売上がコロナ前と比較して10%以上減少していること
■且つ、2020年10月以降の連続する6ヶ月のうち、任意の3ヶ月の合計売上がコロナ前と比較して5%以上減少していること

今年度についてはこの2項目の売上高減少要件をクリアーしていなければ申請ができなかったのですが、令和4年度から赤文字で記した要件は撤廃されます。2020年4月以降の連続する6ヶ月のうち、任意の3ヶ月の合計売上がコロナ前と比較して10%以上減少していることのみが要件となり、今年度よりも緩和されることになります。このことにより、今年度は申請ができなかった事業者でも令和4年度は申請可能となる可能性があります(公募数が増えることになりますので良し悪しですが)。

新たな特別枠

コロナ禍で引き続き業況が厳しい事業者や事業の再生に取り組む事業者を対象に新たな特別枠が設定されます。
「引き続き業況が厳しい事業者」ってどういう事業者でしょう?この要件は

2021年10月以降のいずれかの月の売上高が2020年または2019年の同月と比べて30%以上減少している事業者

になります。では「事業再生に取り組む事業者」とは?こちらの要件については現在(2022年3月末時点)検討中のようです。
この特別枠は『回復・再生応援枠』と命名されていて、補助率が3/4(中小企業の場合。中堅企業は2/3 )に引き上げられるとともに主要な設備の変更も義務化されないなどの緩和がされています。補助上限額は以下の通りですが、個人事業主・小規模事業者にとってはとても魅力的な特別枠になると思います。是非活用を検討されてはいかがでしょうか。

従業員数補助金額
5人以下100万〜500万円
6〜20人100万円〜1000万円
21人以上100万円〜1500万円

更に事業者にとってメリットがある点として、この『回復・再生応援枠』については『主要な設備の変更を求めない』となっています(もちろん設備変更でもいいのですが)。事業再構築補助金の補助対象経費のメインは機械装置等の設備費です。新規事業への取り組みとしてその事業化を支援するのが本補助金ですが、回復・再生枠についてはこの要件が外されます。ということは、広告宣伝や店舗改修など販売促進のための取り組みにも利用できるのかと思います。

通常枠の変更

「今年度より予算は減りましたが多くの事業者を支援しますよ」という主旨なのでしょうが、令和4年度は通常枠の補助上限額が見直されます。下表を見ていただければお分かりかと思いますが、要は上限額が減少されることになります。この部分は少し残念なところですね。

従業員規模今年度の補助金額令和4年度の補助金額
20人以下100万円〜4000万円100万円〜2000万円
21人〜50人100万円〜6000万円100万円〜4000万円
51人〜100人100万円〜8000万円100万円〜6000万円
101人以上100万円〜8000万円100万円〜8000万円

※補助率:【中小企業】 2/3 (6,000万円超は1/2) 【中堅企業】 1/2 (4,000万円超は1/3)

最後に

以上が令和4年度の事業再構築補助金の主な変更点になります。このほかにもグリーン成長枠の新設ですとか運用上の変更点などもありますが、詳細については公募要項などでご確認をいただければと思います。

採択率が厳しくなりそうな令和4年度の事業再構築補助金ですが、要は採択されやすい事業計画書を作ることが肝要でして、事業計画書は第三者が見ても「これなら実現できるな」と評価してもらえる中身である必要があります。そしてそれ以外にも”補助金獲得向けの事業計画書”というコツが必要で、それはテクニカルな部分での計画書作成のコツになります。

補助金を活用して新たなチャレンジはしたいけど時間がない・・・
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そのようなお悩みをお持ちでしたら是非一度ご相談ください。当社は大手の補助金コンサルとは異なります。大手のように多数のサポート実績実績を誇れるわけではございませんが、ご相談・ご依頼いただいたお客様のサポートを大切にし、丁寧に時間をかけ事業計画書の作成を行わせていただいております。その結果、実績件数は少ないですが今年度は100%の採択実績を得ることができました。
専門の補助金コンサルとは異なり、採択が難しそうな計画案でもお断りすることはございません。採択される方法をお客様と共に探し採択されるよう計画を考え練り直す、そのような努力を惜しまず例え非効率と言われようともお客様の採択のために取り組ませていただきます。

皆様の事業の一層の成長のために、補助金という公的資金を活用し新たなチャレンジを始めませんか。

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